「英語表現 WORD SENSE 」は「一億人の英文法」や「総合英語FACTBOOK」でおなじみの著者、大西泰斗氏/ポール・マクベイ氏による1冊です。
実際のコミュニケーションでの単語・表現の使い方を学べる構成になっています。
一億人の英文法等と同じように、ネイティブの感覚をわかりやすく解説した1冊ですが、この本の大きな特徴はリアルな会話で使う単語の「コアイメージ」をイラスト付きで学ぶことができるところ。
本記事では実際に使い倒した私が、WORD SENSEのおすすめポイントやその効果、使い方を徹底レビューしていきます。
- WORD SENSEの内容
- WORD SENSEの構成
- WORD SENSEの効果的な使い方
- WORD SENSEを使ってみた効果
- どんな学習者におすすめか
英語表現WORD SENSE(伝えるための単語力)ってどんな教材?
まずはWORD SENSEの内容を説明していきます。
特徴はなんといっても普段の英会話でよく使う基本動詞それぞれがもっているコアイメージをイラスト付きで解説されていること。そして動詞の使い方もネイティブ感覚をベースに解説されています。
そして後半パートではよく使う接続表現もニュアンスの違いをイラスト付きで解説されています。
コアイメージとは
1つの単語が持つ共通イメージのこと。これを理解しておくと複数の意味を持つ単語の意味を丸暗記する必要がなくなります。
上のイラストでは、
代表的な視覚動詞3つ
- look
- see
- watch
についてイラスト付きで分かりやすく解説されています。
- look:視線を向ける
- see:目に入ってくる(見える)
- watch:注視する(じっと見る)
同じ「見る」でもそれぞれのイメージは違います。
もちろんその意味を伴った自然な例文も掲載されているので音読することによって、イメージのまま頭の中にインプットすることができます。
WORD SENSEの構成
【英語表現WORD SENSE(ワードセンス)伝えるための単語力】は次の3つのパートから構成されています。
- 基本動詞
- 動詞のもつクセ
- メッセージをつくる「小さな矢印」
Part 1:基本動詞
先ほども少し触れましたが、このパートでは108個の基本動詞についてそれぞれがもつ「コアイメージ」とそこから派生した「拡張イメージ」を学ぶことができます。
ネイティブがどんな感覚でこれらの動詞を使っているかがわかります。
たとえば、基本動詞「go」と「come」を例にとってみます。
goのイメージ:起点となる場所から「離れていく」動き(立ち去る)
comeのイメージ:「近づく」動き(やって来る)
これらのイメージから「変化(~になる)」の用法が生じます。
- go bad (腐る)
This milk has gone bad! (ミルクが腐っちゃった)
- come true (実現する)
I hope your prediction comes true. (君の予測が現実になるといいね)
goは「離れていく」イメージがあるから悪化を表し、comeは「自分に近づいてくる」イメージがあるので肯定的な変化を表します。
このようにコアイメージを掴むことができれば、日本語一つ一つ暗記する必要がなくなり、感覚で理解できるようになっていきます。
Part 2:動詞のもつクセ
このパートでは間違えやすい動詞の使い方を学びます。
Let’s discuss (×about) our holiday plans. (休日のプランを話し合いましょう)
I’d like to apologize to everybody. (みんなに謝りたいと思います)
discussは話し合いの対象に直接働きかける(他動詞)のためaboutはつけません。
apologizeは対象を含まない単純な動作(自動詞)なので(×apologize everybody)とはできません。
Part 1では動詞のコアイメージを学びますが、このパートでは自動詞・他動詞など、動詞の使い方をネイティブイメージから学ぶことができます。
Part 3:メッセージをつくる「小さな矢印」
最後のパートでは、相手にわかりやすくメッセージを伝えるための接続表現を学ぶことができます。
たとえば累加表現の部分では、
- too
- as well
- also
- in addition (to)
- moreover
- furthermore
- besides
- what’s more
- on top of that
これらの表現がネイティブ感覚の解説と例文付きで説明されています。
特にフォーマルかインフォーマルかの解説もあるのは有益だと思います。
このような接続表現を詳しく解説してある教材はあまりないので私にとってはとても役に立ちました。
WORD SENSEの効果的な使い方
ここからはWORD SENSEのおすすめの使い方を解説します。
- まずは1周読みこむ(全体像を掴む)
- 2週目以降は例文をイメージしながらの「音読・暗唱」
- 自分専用の文を作って独り言
順番に解説します。
STEP.1 まずは1周読みこむ(全体像を掴む)
まず1周目は、この教材の書かれている内容をじっくり読み、なんとなくでもいいので理解しましょう。
それほど難しい内容ではないので意味不明な部分は少ないと思いますが、まずは1周サクッと読み終えなんとなく理解しましょう。
STEP.2 2週目以降は例文の情景をイメージしながら「音読・暗唱」
1周読めばある程度の内容が頭に入っているはずなので、2週目以降は「実践で使う」ことを見据えて「音読・暗唱」という負荷を加えます。
著者である大西先生も常々「音読」の重要性を話されています。1例文につき10回は音読してみてください。
音読をするときは必ず例文の情景を思い浮かべながら行ってください。英語脳が鍛えられます。
STEP.3 自分専用の文を作って独り言(例文をアレンジ)
独り言に関してはこの本にすすめられているわけではないですが、スピーキングを伸ばすのにとても有効です。
She explained to me that she needs to quit her position for personal reasons.
(彼女は僕に、個人的な理由で役職を辞めなくてはならないと説明した)
たとえば上の例文。自分の日常ではあまり使わないかなと感じます。
そこでこの例文をアレンジしてみます。
I explained to my boss that I need to leave early today.
(私は上司に早退しなければならないと説明した)
このように自分が日常生活で使いそうな文にして独り言を繰り返すと、実際の会話で瞬時に使いやすくなるのでおすすめです。
めちゃくちゃ簡単な文章でもOKです!無理のない程度にやってみてください。
1つ1つ完璧になりすぎると時間ばかりが過ぎていくので、自分がアレンジしやすい文から始めても大丈夫です。
プラスα :友達との会話やオンライン英会話で実際に使ってみる
音読や独り言で単語のコアイメージや使い方をイメージできるようになったら積極的に実践で使ってみてください。
リアルな会話で使うことで印象に残りやすく、イメージが頭の中に定着しやすいです。
私はその日学んだことをその日のレッスンで敢えて使うようにしていました。
【実体験】WORD SENSEを使い込んで得られた3つの効果
私は前述した使い方でこの教材を5周ほど回しました。
- 自分の伝えたいことが細かく伝えられるようになった
- 日本語を介さずに聞いたり話したりできるようになった
- 接続表現の使い方が上手くなった
単語のコアイメージがインプットされたことで、状況ごとに選ぶ単語を間違えることが少なくなりました。結果的に伝えたいことが細かく伝えられるようになりました。
まさにワードセンスですね!
またイメージできるようになったことで基本動詞においては日本語から訳さなくても英語のまま理解そして話せるようになりました。
接続表現では「besides(さらに)」や「on top of that(その上)」など個人的に使いやすいフレーズが見つかり今でも英会話で多用しています。
英語表現WORD SENSE(伝えるための単語力)はどんな人におすすめ?
実際にこの教材を使い込んでみて感じた、この教材をおすすめできる人は以下の通りです。
- 基礎文法の知識がある人
- 英語を話せるようになりたい人
- ネイティブの感覚を身につけたい人
WORD SENSE(ワードセンス)は内容自体はそれほど難しくありません。
しかし文法がほとんどわからない状態で使ってしまうと、文法知識の欠落が理解の妨げになってしまいます。
まずは基礎文法を学習しましょう。
逆に、文法がある程度理解できていればこの教材の良さが発揮され、点と点が結びつきネイティブイメージが感覚的に理解しやすくなります。
英語が話せるようになりたい人にはネイティブイメージは必要なので、わかりやすく解説されているこの教材はおすすめです。
「一億人の英文法」もしくは「総合英語FACTBOOK」を仕上げた方は内容がかぶっている部分があるので敢えて購入しなくても大丈夫です。しかしポイントを絞ってあるのでさらに内容を深める意味では価値があります。
まとめ:WORD SENSEはネイティブ感覚の理解を深めてくれる
いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、英語表現WORD SENSE(ワードセンス)伝えるための単語力をレビューしました。
ネイティブ感覚をわかりやすく解説されている教材なので英語が話せるようになりたい方におすすめしたい教材です。
私自身は一億人の英文法はすでにやりこんでいたので、さらに理解を深められ現在の英会話に役立っています。
英会話力を高めたい方はこの教材を取り組んでみるといいと思います。
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